理系塾講師のブログ

塾講師歴27年、理系全般、あらゆる学年を指導してきました。

高校受験数学で重要な単元①

受験に向けて中学生が数学を勉強する際に、重要な単元の概略を述べてみたい。

 

【1】計算

正負の数、文字式、1次方程式

連立方程式、不等式

展開、因数分解2次方程式

他の単元の計算の「道具」として、「正確に、短時間でできるかどうか」を基準に基礎から標準的なレベルの計算を全学年を通してチェックするとよい。

もちろん高校数学でも計算力の基礎となるので重要。

 

【2】関数

比例、反比例、1次関数、2次関数(←厳密には原点を通る放物線までしか扱わないので、教科書等には2次関数とは書いていない)

関数の「xの値を一つ決めるとyの値がただ一つ決まる」という重要な概念についてはあまり触れずに、放物線と直線の「図形問題」のような状況になっている。高校入試の入試問題は正に「関数ではなくもはや図形」問題になっている。

高校入試の受験数学の専用テクニックがこの単元には結構あるが、高校の数学でそのテクニックはほとんど使わない。

 

【3】平面幾何全般

円、相似、三平方の定理、空間図形(考えたり、作業したりするのは平面であるため、平面幾何にひとくくり)

高校受験数学の最重要単元のひとつ。「図形が苦手」という生徒は非常に多い。原因は発想やアプローチの仕方が他の単元と違うため。また、仕上がるのに時間もかかる。生徒にとっては面倒くさい単元。

高校数学では、平面幾何は重要な単元と言えず、代数の方が出来ると何とかなってしまうので、放置されがち。

直接的な効果は薄いが、平面幾何ができると他の単元の問題を考える際に「解法の見通しがよくなったり、複数の解法が見えたりする」などのメリットがあるらしい。

 

と、中学数学の受験に重要な単元は高校に行くと「すげー頑張ったのに重要じゃなくなる」単元である。先のことまで見通してしまうと「無駄だな」と思ってしまうかもしれないが、平面幾何が高校受験では最重要だろう。