理系塾講師のブログ

塾講師歴27年、理系全般、あらゆる学年を指導してきました。

「お金儲け」と教育

塾講師を続けてきて、教育の目的や理想をあらためて考えることが最近多い。

日本の教育をただ与えられるままに受けると、「お金儲け」とは何か悪いことであるかのような印象を持ったり、お金を稼ぐことにうしろめたさを感じたりするようになることが体に染みついてしまう。

だから、大人になって、いざお金を稼いで「生活」していかなければならない立場になってから苦労する。

「いい大学に入って、大企業に就職する」ことや、もっと学力があれば、「医者や弁護士を目指す」ことしか人生にはないかのような思考回路に自分が人生経験がない10代の頃になっていたよう思う。

 

思考停止(楽なので)して、「レベルの高い大学にさえ入れば人生バラ色」の脳だったような・・・。

 

高学歴な親、高学歴志向の家庭は子供がこうなってしまうことが多いかと。

親御さんはもちろん、我が子には苦労の無い、楽しい人生を送ってもらいたいと心から望んでいることはとてもよく分かる(自分も子供を育てるときそうだったから)。

 

子供たちに人生幸せに生きて欲しいと思ったとき、「お金儲け」の良い部分と嫌な部分、好きでも嫌いでもお金儲けをしないと生活がしていけず、精神面で「文化的な生活」どころではなくなることを分からせることが必要だと思う。

 

日本の教育は「良いサラリーマンをつくる」ことに関してはとてもよく出来ているシステムだと思うので、大企業に就職または公務員になることができれば、成功といえるだろう。しかし、そのレールから1度でも外れると、それ以外のことを全く考えてこなかっただろうからどうしていいか分からず、その後とんでもなく苦労する。

「子供には自分で生きていく力をつけさせたい」と理想はあるが、具体的には「いい大学に行って・・・」となってしまう。「お金やお金儲けとは何で、何でお金儲けするのか。お金儲けできるようになって、生活に心配がなくなるとどうなるのか。また、生活が危ういとどうなるのか。」を自分で考えて、自分で選択、行動できるようになればそれで十分な気がする。「大企業に就職」は未だに安泰だと思う。しかし、複数あるうちの選択肢の一つでしかない。それ一択のような誘導は危険だ。

 

お金儲けは大事なことだということを若いころから理解した方がいいと思う。