理系塾講師のブログ

塾講師歴27年、理系全般、あらゆる学年を指導してきました。

中学受験の親御さんのスタンス

個別指導で中学受験の保護者と塾のやりとりを間近で見てきて思うこと

 

【子供を潰してしまう保護者の行動】

「塾との信頼関係を築く」とよく言うが、その意味を具体的に分かっている人がどれだけいるのだろうか。日本人によくありがちな、

客>塾で「お客様は神様」

という意識を持っている人。

客はサービスを提供する側に何を言ってもいいし、その要求に必ず答えるべきという意識を持っている人。その考え方が言動に表れる。

 ・塾のやることにいちいち口出しをする

 ・子供の成績が横ばいまたは下がると塾のせいにする、いろいろ要求する

 ・高学歴なお父さんだと、「塾より自分の方が指導できる」という大きな勘違いから子供の勉強に介入しだす。「自分が教える」と言い出す。

(こういうお父さんの場合、普段は自分の仕事で忙しく、子供の面倒は全てお母さん任せにしていることが多い。にも関わらず、感謝もせず、子供の成績がいまいちだと、「何やってるんだ、お前の責任だぞ」と直接言わなくても、そう思っているような言動で対応していることが多い。)

 

お父さんとお母さんが中学受験に対して、同じ考え方で「同じ絵を2人で見ている」こと。さらに、塾講師とも話し合って、塾も入れて、「3人で同じ絵を見ている」状態が望ましい。受験に限らず、普段の人間関係もこれが大きいと思う。

 

これと反対の向かい合って敵対するようなスタンスだと、夫婦で喧嘩はするわ、塾に要求するわ、子供も上手く導けないわでいいことがない。

 

塾側については、

・自分を信頼して、「勉強は全て先生にお任せします」と言ってくれる

・塾のやることに口出ししない

という状況を、いかに指導する前に「保護者面談」で双方納得いくまで話ができるか(むしろ作り出せるか)を分かっている塾や講師でないと受験には成功しないだろう。

塾側もいい気分で仕事がしたいはず、人間いくつになっても褒められて悪い気はしない。その逆だとモチベーションがどんどん下がっていく。

 

心から信頼し合うことが理想だが、そうでないとしたら、「表面上は」信頼関係があるように見せるという大人の対応をするだけでも、感情むき出しの行動をしてしまうより余程良い方向に物事が進むはず。