理系塾講師のブログ

塾講師歴27年、理系全般、あらゆる学年を指導してきました。

数学の学習態度と就職

数学については(英語もそう)、「継続」がいかにできるかが大きなカギである。

「たった3か月で逆転合格!」みたいな文言を見て、

・高校3年の夏休みあたりから頑張ればいいか・・・

・勉強は後回し・・・でも何とかなるか・・・

というのは、違うと思う。

あくまで数学ができるようになるための基本は、

「毎日決めた時間、決めた問題数をやり続ける」

ことだと思う。それを実行した生徒は医学部現役合格や国立大学合格が実際にできているのだから、これだけは間違いない。

 

習慣化して、強度を上げて、単位時間の密度が上がっていって・・・数学ができるようになっていくという流れなのだ。

 

よく考えて欲しい、一定量の学習を「毎日」行える学生がいったい何人いるのか。実はこれが結構できていないのだ。楽しいことがいっぱいある中で、例えば「毎日数学1時間~1時間半の自学自習を継続」できる高校生がいったい何人いるのか。まずはこの習慣化がカギだ。

 

ところで、数学はどこまで学習すべきかということだが、私は理系全般を指導する講師なので、「数学Ⅲ、数学C等全範囲まで学習」を勧める。

数学Ⅲの微分積分まで是非学習して欲しい。

 

理由は、理系の就職の方が不確定要素が少なく、しやすいと思えるからだ。

理系の場合、学部4年間+大学院2年間で修士課程まで学んでから就職が王道だ。

大学院まで行くことで自分のやっている学問が専門的になり、企業としては即戦力として重宝される。

 

純粋に学問を究めたい生徒は少数派で、企業に就職するのが多数派だと思うので、多数派に合わせた就職に関係する話をする。

 

よく、「レベルの高い大学に入り」さえすれば「大丈夫」「何とかなる」と思う学生が多いのだが、その「表面的な部分」だけを見るのではなく、「中身」に焦点をあてて力を入れるのだ。受験産業的には、人を釣るときにキャッチフレーズや見た目、第一印象で「面白い」と思われないとそもそも見てもらえないので、表面的な部分が先行する。そこで踊らされるのが「分かっていない人」、それを分かった上で自分はどうするかを考えて欲しいのだ。

 

大学はよりレベルの高い大学、私立よりは国立に入るのが良いという考えは正しいと思う。だから、まず自分の学力は上げないよりは上げる努力をすることはいいことだ。受験勉強を頑張るのも正しい。問題は、大学に入った後だ。受験産業って、「入ったら終わり、その後の責任は取らない」が基本なので、大学に入ってからが大事なのに、そこには全く触れないスタンスだ。

「〇〇大学の学生なんだから自分は大丈夫」というある意味ブランド志向はマズイ。大学に入った途端、勉強とかせずに遊んでばかりという傾向が強くなる。

理系の場合、大学名というよりは、大学でどんな学問を「しっかり」学んだか、就職に強い研究室を選んだか、成績上位をとっているか、等、大学生としてのやるべきことを「きちんとやれている」状態であれば就職に困らないはず。コミュニケーション能力が少々低くても大丈夫だったりする。(本当はコミュ力が欲しい!)

特に女子には理系はお勧めである。

・理系は男子がまだまだ多い

・もともとのスペックとしてコミュニケーション能力が男子より女子の方が圧倒的に高い

つまり、周りにコミュ力の高い人があまりいない中で自分のコミュ力が高い、仕事をする上で非常に有利なのだ。

 

「入ってからが勝負なのだ」という雰囲気にもっとなって欲しいと思う。