理系塾講師のブログ

塾講師歴27年、理系全般、あらゆる学年を指導してきました。

基本の大切さ

受験生を教えていて気付いたこと。

 

医学部を目指す「真面目な生徒」。

 

宿題をきちんとやり、授業態度も良い。

 

授業の受け答えも良い模範的な生徒。

 

こういう生徒に対して、あなたはどういう態度を取るか?

 

その真面目さに「大丈夫」と思って、その期待に応えようとして問題の難度を上げたり、テキストのレベルを上げたりしてしまわないだろうか?

そして、基礎レベルの参考書を疎かにしないだろうか?

 

「一度行った授業と全く同じ授業をもう一度する」

 

ことに対して、

【保護者側】お金のムダ

【講師側】「お金のムダ」というクレームが入ることを恐れる

【生徒側】また同じ内容で「意味ない」→親に言う→クレーム

そもそも1度やったことをやっても「意味ない」と思っている

 

という常識を持っていないだろうか?

 

これは、全員「ダメな思考」だ。

そもそも、何かを「1回で覚えてアウトプットできる」と思っている時点で色々な意味でアウトである。

 

・自分への過度な期待

・完璧主義

 

によって、少しでも上手くいかないと、

 

・真面目な人なら「自分責め」が始まり

・不真面目な人なら「何かのせい」が始まる

 

どちらにしたってネガティブ思考まっしぐらでいつもそのことばかり考えるようになり、出来ない自分をひたすら強化しまくって、それが現実になる。

 

親もそう。自分が学生のときは何度も反復しないと知識は定着しなかったはずで、抜群の記憶力などなかったはず。(あったとしたら、それは自分にとってのヲタク分野で、好きで好きでしょうがないから勝手に覚えるのでしょう。そんなに好きでなかった科目を想像してみてほしい)

そんな自分のことを棚に上げておいて、自分の子供には「過度な期待」と「要求」をする。1回でできないと責める・・・最悪。自分の仕事で部下にもそうしているとしたら大問題。(でも仕事になると「絶対に失敗は許されない」とか言ってそういう考えをしがち)

 

保護者はじっと我慢して、つい言いたくなってしまうことを我慢して待つ。

 

特にネガティブなワードは子供の自信を一発で無くさせるのでこれも呑み込む。

 

話しが脱線したので戻すと、

 

指導している生徒は真面目だが、基本を覚えていないことがよくある。

 

今回は化学の「合成高分子」のところ。

定期試験前の最終チェックだったので、「化学重要問題集」や「化学の新演習」あたりを使用して練習するつもりだった。しかし、生徒が問題集を持ってこず、教室にも無く、どうしようかとなったときに気づいた。

 

もしかして、基礎ができていないんじゃない?

 

と。だから、解説多め、例題少ない学び始めに使用する参考書を引っ張り出してきて、

暗記知識をはじめから「アウトプット」視点で確認。

案の定、出来ていない。

ガッツリ基礎だけを実施して授業は終わった。

 

基本を本当に完璧に「再現」できるまで徹底的に反復する

 

やっぱりこれが最強の勉強法だと再認識した。